加茂一揆(かもいっき)
1836年(天保7)三河国加茂・額田両郡に発生した一揆。下河内村辰蔵らを頭取とし,米価・諸物価引下げ,頼母子講2年休会などを要求した領主への強訴だが,一揆の主要な形態は商人などへの打ちこわしであった。一帯を席巻した後,挙母(ころも)城下へ押しかけ,岡崎藩兵らの発砲により鎮圧された。幕府・5藩・19旗本・4寺領247カ町村1万余人が参加した典型的な広域闘争で,一揆時に世直しが主張されたものとしては最も古い部類に属する。水戸藩主徳川斉昭は,この一揆を大塩の乱や甲州騒動などとともに,内憂を代表するものとして把握し,幕府に改革を迫った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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