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かぶき者(かぶきもの)

江戸前期,江戸・京都などの都市を中心に活動した武士や武家奉公人・牢人者などからなる反体制的分子。かぶき(傾き)とは偏った異様な行動や風俗をさすが,かぶき者の風体・歩き方・言葉などがそれにあたる。彼らは男としての意地や面目を守りぬくことを信条とし,組を結成して集団化し,血判起請して仲間内の固い団結を誇るなど,幕藩権力による社会統制に反抗した。かぶき者の階層は本来武家奉公人が中心だが,旗本奴(やっこ)や町奴のように武士・町人層にも広く波及し,その風潮は公家社会にも浸透した。彼らは放火・殺人や集団間での闘争をくり返すなど,社会治安を乱す存在であることから,きびしい取締りの対象となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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