家督相続(かとくそうぞく)
1人の子弟,おもに長男が家長としての地位や身分=家督を継承し,あわせてその財産を独占的に相続する制度。室町中期以降,武家の間で長子相続が発達し,近世には武家の相続制度として家督相続が制度化され,庶民の間にも浸透した。明治政府は,天皇制国家体制の基盤として家父長的家族による「家」をおき,その代表としての戸主に種々の権限を与えた。明治民法はそうした戸主権について,戸主の財産とともに長子が単独で相続すると規定し,相続は戸主の交代を意味した。第2次大戦後,国家体制と結びついた「家」の解体を行うため,その根幹となった家督相続は法的に廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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