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桂離宮(かつらりきゅう)

1615年(元和元)頃,八条宮(のち桂宮)初代智仁(としひと)親王が京都下桂(しもかつら)の里(現,京都市西京区)に草創した別荘。桂宮家が絶家して,1883年(明治16)離宮に定められる。桂川から水を引きいれた苑池を中心に,数寄屋造を基調とした古書院・中書院・楽器の間・新御殿からなる御殿群と,月波楼・松琴(しょうきん)亭・笑意軒・賞花亭の四つの茶屋,外腰掛・卍(まんじ)亭の二つの腰掛,持仏堂である園林(おんりん)堂が庭間に点在する。1976年(昭和51)から6年をかけた昭和の大修理により,御殿群は3期にわたる増築によったことが判明。第1期は草創期の1615年頃まず古書院が建てられ,24年(寛永元)までには一応の完成をみたのであろう。41年,智忠(としただ)親王が増築整備を行い,第2期の中書院が建増しされた。月波楼には52年(承応元),笑意軒には55年(明暦元)の襖の下張りの反故(ほご)が使われており,現存する茶屋は,63年(寛文3)の2度におよぶ後水尾(ごみずのお)上皇の行幸に先立ち,第3期工事として楽器の間・新御殿が増築された62年頃までに苑内に整えられたものであろう。広大な回遊式庭園には「源氏物語」の情景が断続的にはめこまれている。現在は離宮として宮内庁が管理。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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