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語り物(かたりもの)

謡物に対して,語ってきかせることを主眼とする音楽・芸能の種目。その詞章を記した本は,文学では口承文芸の分野に入る。叙事的な物語を楽器の伴奏で語ることが多く,舞を伴うものもある。起源は古代の語部(かたりべ)までさかのぼるが,中世には琵琶の伴奏で「平家物語」を語る平曲(へいきょく)をはじめ,鼓を用いる曲舞(くせまい)・盲御前(めくらごぜ)の語り,曲舞の一派である幸若舞(こうわかまい)などが広く行われた。近世には簓(ささら)説経や祭文(さいもん)語りなど,中世からの系譜のものが三味線と結びついて説経節・浄瑠璃・歌祭文などに発展し,さらに邦楽の多くの種別をうんだ。浪花節・講談も語り物に含まれる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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