刀狩(かたながり)
武力統制の実力行使をいうが,一般には豊臣秀吉による百姓らの所有する武器・武具を没収した刀狩政策をさす。秀吉の刀狩に先行するものとしては,1576年(天正4)越前で柴田勝家が行った刀ざらえがあり,秀吉も85年,紀州攻めののち寺院僧徒の武力行使を戒めている。88年7月,秀吉は3カ条の刀狩令を発布し,諸国の百姓が刀・脇差などの武具を所持することを禁じ,大名給人にそれらのとり集めを命じた。没収した武具は造営中の京都方広寺大仏殿の釘などに利用するとし,以後,百姓は農事に専念すべしとしている。刀狩が一揆停止を目的としたことは当時から知られていたが,百姓の自力救済の否定を目的とした身分制的な性格をもつとの見解もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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