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片仮名(かたかな)

万葉仮名を手早く書くために漢字の字画を省いて書かれたものから成立した仮名。もともとは漢文訓読の際に補読すべき部分を漢文の字間に書きこんだもので,漢字の草体から成立した平仮名に対し,漢字の一部分=片をとったところに特徴がある。漢文訓読がおもに男性によってなされたために男性専用の文字として平仮名と区別し男手(おとこで)ともいわれた。成立は平安初期の学僧によるものと推定され,かつて創案者とされた吉備真備(きびのまきび)説は否定されている。片仮名の使用は仏書を中心にした漢文訓読に始まるが,説話集などの漢字仮名交り文や各種注釈書の表記に用いられて広がった。字体は書記者によってさまざまであったが,12世紀頃から統一されるようになり,現行の字体の決定は1900年(明治33)の小学校令施行規則である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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