加曾利貝塚(かそりかいづか)
千葉市若葉区桜木町にある日本最大の貝塚。都(みやこ)川によって樹枝状に開析された標高約30mの台地上に,縄文中~晩期に営まれた。1887年(明治20)に紹介されて以来,数多くの調査が行われた。南北二つの貝塚で構成され,北貝塚は直径約130mの環状,南貝塚は直径約170mの馬蹄形をなす。ハマグリ・アサリなどの貝層が厚いところで2mに及ぶ。山内清男(やまのうちすがお)はE地点出土の土器を中期後半の加曾利E式土器,B地点ででた土器を後期の加曾利B式土器と型式設定した。1990年(平成2)までに137軒の竪穴住居跡が検出されたが,中期が90軒と最も多い。北貝塚の東には後期の長軸19mもの楕円形の大型住居跡もある。遺物は土器・石器・土偶・石棒,釣針・ヤスなどの骨角器,人骨・獣骨・魚貝類など豊富。膨大な量の貝は干貝に加工し,石器の材料となる黒曜石などとの物々交換用に用いられたとの説がある。縄文時代の研究に重要な貝塚。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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