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春日権現験記(かすがごんげんげんき)

鎌倉後期の代表的な絵巻。春日明神の霊験談を集め,20巻にまとめた大作。付属の目録によれば,西園寺公衡(きんひら)が家門繁栄を明神に感謝するために発願し,1309年(延慶2)3月に完成,春日神社に奉納された。絵は宮廷絵所預の高階(たかしな)隆兼筆,詞書(ことばがき)は公衡の弟の覚円が起草し,鷹司(たかつかさ)基忠とその3人の子息が清書。絵巻物としては珍しく絹本で,構成の妙に加え,線描と彩色による格調高い画面をつくる。貴族から庶民までの変化にとむ描写は,史料としても重要。伏見上皇を中心とする宮廷文化の興隆を反映した作品。絹本着色。縦約41cm。宮内庁蔵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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