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過書船(かしょせん)

京都と大坂を結ぶ淀川の貨客船。過書とは中世の淀川に乱立した関所を通過する際に関料の免除を認めた手形で,これをもつ船を過書船といった。豊臣秀吉は淀津を拠点とする淀船と海船に起源をもつという過書船を統制下におき,役負担とひきかえに淀川での営業独占を認めた。ついで徳川家康も独占を公認,淀川水運の管理統制機関として過書座を設け,過書株を162に限定するとともに過書奉行を設置した。これにより享保期には小型の淀二十石船もあわせて30石以上の過書船は1200艘余の勢力となった。しかし近世後期になると,過書座の独占を破る在方の船の活動が活発化し,その勢力は衰退していく。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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