鹿島神宮(かしまじんぐう)
茨城県鹿嶋市宮中に鎮座。式内社・常陸国一宮。旧官幣大社。祭神は武甕槌(たけみかづち)命を主神とし,経津主(ふつぬし)命・天児屋根(あめのこやね)命を合祀。武甕槌命は天孫降臨に先立ち葦原中国を平定した神。「常陸国風土記」には香島の天の大神とあり,孝徳朝に神郡がおかれたと伝える。当神社はもと当地方の航海神であったらしいが,香取神宮とともに大和朝廷の東国平定・支配に大きな役割をはたし,古くから軍神として大和朝廷に崇敬され,839年(承和6)従一位。また中臣氏の氏神ともなり,藤原氏は平城遷都にあたって鹿島・香取の神を春日神社に勧請。勅使鹿島使が派遣された。中世以降も源頼朝や徳川家康など武家から武神・軍神として信仰された。例祭は9月1日,7年ごとに勅使の下向がある。所蔵の直刀と黒漆平文大刀拵付刀唐櫃は国宝。本殿などは重文。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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