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学童疎開(がくどうそかい)

太平洋戦争末期に重要都市の国民学校初等科児童を疎開させた政策。戦局が悪化するなか,政府は空襲時の混乱を避け,戦意の衰えを防ぐために計画。縁故を有する児童は個人的に,他の大多数の児童は集団的に疎開した。1944年(昭和19)6月の閣議で一般および初等科児童の疎開促進が決定され,東京をはじめ18都市における初等科3年以上6年までの児童を対象とした疎開が実施された。8月には第1陣が出発,翌年には対象範囲が拡大され,約46万人が7000カ所に疎開したといわれる。社寺や旅館に寝泊りしたが,親元を離れての慣れぬ長期間の集団生活のうえに,食糧不足や疎開先の人々との人間関係のむずかしさもあり,児童にとってはつらい体験であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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