戒律(かいりつ)
戒は悪を防ぐための規範,律は教団維持のための禁制条項。両者はしだいに同一視された。日本への本格的な戒律の伝来は鑑真(がんじん)に始まり,東大寺に戒壇院をたて具足戒授戒の場とした。のち最澄(さいちょう)は具足戒を小乗戒であるとして否定し,大乗戒壇の独立を実現。簡便な大乗戒による菩薩僧の育成をめざした。以後日本では,一部に戒律復興の動きはあったが戒律の意義はしだいに低下,親鸞のように明確にそれを否定する思想もうまれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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