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開帳(かいちょう)

開扉(かいひ)・啓龕(けいがん)・開龕(かいがん)とも。厨子(ずし)の扉や斗帳(とばり)を開き,内に安置した非公開の本尊や祖師像などの尊像・秘宝をじかに拝観させること。寺社境内で行う場合を居(い)開帳,他所に出張して行うことを出(で)開帳という。もとは結縁(けちえん)のためだったが,寺社の修造費・経営費を獲得する目的となり,拝観のとき奉納する金銭を開帳銭といった。最も盛んになった江戸時代には娯楽化・興行化の傾向が強まった。開帳を行う開帳場には歌舞伎や人形浄瑠璃の見世物小屋や茶店などがでて盛り場となり,戯曲やからくりのなかには開帳をあてこんで作られた開帳物とよばれる作品がうまれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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