外戚(がいせき)
母系の親族をいうが,その範囲は明確でない。ちなみに,名例律議親条で特権が与えられた天皇の外戚は,外祖父母,オジ・オバとその子である。外戚が最も意味をもった古代では,結婚した男子は妻の生家の支援をうけ,生まれた子は母の家で養育され,成長後は邸宅など財産を継承することも多くみられた。天皇も,有力な外戚が後見でなければ即位を期待できず,逆に天皇の外戚も,高位高官(追贈を含む)にのぼるなどの優遇をうけた。清和天皇の外祖父藤原良房(よしふさ)が最高権力をにぎって以後,藤原氏が天皇の外戚の地位を保持して摂関を歴任した。院政期には,上皇の父権の確立にともない外戚の地位は低下したが,その後も外戚関係を含む姻戚関係は,社会全体に少なからぬ影響を及ぼした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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