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慶長の役(けいちょうのえき)

1597年(慶長2)2月~98年11月の豊臣秀吉の第2次朝鮮侵略。朝鮮側では丁酉(ていゆう)の倭乱とよぶ。秀吉は日明講和交渉で,明皇帝の皇女を日本の天皇の后にすること,日明間の勘合を復活し官船・商船を往来させること,朝鮮南4道の日本割譲など和議条件7カ条を提示したがいれられず,明皇帝からは「茲(ここ)に爾(なんじ)を封(ほう)じて日本国王と為す」との誥命(こうめい)のみで,講和交渉は破綻。秀吉は朝鮮南4道を実力で奪うため,97年朝鮮に約14万を再派兵。7月,日本軍は慶尚道巨済島で元均(げんきん)の率いる朝鮮水軍を破り,8月全羅道南原城を陥れた。これに対し明・朝鮮側も反撃の態勢を固め,12月蔚山(ウルサン)新城の包囲(蔚山の戦),翌98年10月泗川(しせん)新城の攻撃を行った。結局同年8月の秀吉の死を機に日本軍は10月から朝鮮撤退を始めたが,この侵略で朝鮮抗日組織指導者の惨殺,朝鮮民衆の鼻切りなどの残虐行為のほか,農民・陶工・朱子学者など朝鮮人捕虜の日本強制連行を行った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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