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金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)

恋川春町画作の黄表紙。1775年(安永4)江戸鱗形屋(うろこがたや)孫兵衛刊。田舎出の若者が夢の中で栄華をきわめるが,それによって人生を悟るという筋。謡曲「邯鄲(かんたん)」の筋立てを主軸とし,ほかに謡曲「鉢木」「通小町」などの趣をとりいれ,当代の風俗を巧みにうがつ。青本の戯作化をはかって成立したともいえる本作は,青本と同体裁ながら,その知的な趣向でそれ以前の草双紙とは明確な一線を画す。本作刊行を文学史では草双紙の歴史における黄表紙時代の始まりとする。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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