御璽(ぎょじ)
内印(ないいん)とも。天皇の公印。「天皇御璽」を印文とする3寸四方の印。中国の律令法には皇帝八璽があったが,日本では天皇の印章を御璽のみとした。中国の璽は陰刻で封泥に用いるのに対し,日本では文書行政の開始当初から封泥の習慣はなく,御璽も陽刻で紙面に捺された。古代以来銅や石を素材に数度改刻されたが,現在は金印。1869年(明治2)運用についての御璽の制が定められ,改編をへて1907年の公式令で定着し,現在はこの規定を準用している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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