挙国一致内閣(きょこくいっちないかく)
広義には国内の各政治勢力の代表を網羅した内閣。一般には1931~39年のイギリスの例が有名だが,日本では経済不況,とくに農村の危機と政党不信の世論が背景となり,一定の支持を集めた。5・15事件で犬養内閣が倒れたあと,元老西園寺公望(さいおんじきんもち)の意向で成立した斎藤内閣の場合,政党では立憲政友会・立憲民政党から,官僚・軍部・財界からも入閣しており,労農勢力が政治勢力としては未熟だったことを考えれば,文字どおりの挙国一致内閣であった。岡田内閣以後の内閣も同様の構成をとる場合が多かった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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