京焼(きょうやき)
京都で作られる陶磁器の総称。広くはあらゆる陶磁器をさすが,一般的には江戸時代の陶磁器のうち,乾山(けんざん)焼・楽(らく)焼をのぞいた窯の製品の総称。京都では9~10世紀に緑釉(りょくゆう)陶が焼かれたが,以後,桃山時代まで空白だった。慶長年間に三条粟田口(あわたぐち)あたりに本格的な登窯(のぼりがま)が開かれた。「神屋宗湛日記」慶長10年(1605)条にみえる「肩衝(かたつき)京ヤキ」が史料上の初出。以後,東山を中心に洛北・洛西にかけて広く陶窯が開かれ,18世紀後半には磁器が創始されて作風は広がり,明治期には陶磁器の輸出によって隆盛した。現在,京都は美術陶芸の根拠地となっている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう