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刑部省(ぎょうぶしょう)

�@大宝・養老令制の官司。八省の一つ。四等官のほかに判事・解部(ときべ)が所属し,裁判の審理・量刑・判決・刑執行などにあたった。在京諸司内の犯罪は,杖(じょう)罪以下は当該諸司が専決するが,徒(ず)罪以上は刑部省に送り審理・量刑を行う。刑部省では徒罪以下の判決・刑執行を行い,流(る)罪以上は太政官に報告し,天皇への奏聞をへたうえで刑が確定した。地方でおこった犯罪でも流罪以上は諸国が太政官に報告し,疑わしい場合には刑部省が再審理した。このように刑部省は律令裁判手続きのなかで審理・量刑を行う中核的な官司であったが,10世紀以降しだいに検非違使(けびいし)に権限を奪われた。�A明治初年,司法行政を管轄した中央官庁。司法省の前身。1869年(明治2)7月,刑法官にかえて太政官のなかの一省として設置。司法行政の統轄とともにみずから刑事裁判権をもったが,大村益次郎暗殺犯人の処刑などに関し,その権限をめぐって弾正台(だんじょうだい)(同年5月設置)と対立。70年新律綱領と獄庭規則(裁判手続きを定めたもの)の制定・公布にあたる。刑部卿は正親町三条実愛(おおぎまちさんじょうさねなる),刑部大輔は佐佐木高行。71年7月廃止,司法省となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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