京都(きょうと)
京都府南部に位置する。府庁所在地。794~1868年(延暦13~明治元)日本の首都であった。京都が平安京をさす固有名詞として用いられている早い例は,988年(永延2)の尾張国郡司百姓等解文第23条で「裁断せられんことを請う,旧例に非ず,国の雑色人并に部内人民等に夫駄を差し負わしめ,京都・朝妻両所に雑物を運送せしむる事」とある文で,平安後期には通例化した。保元・平治の乱以後,兵乱に遭うことが多かったが,そのたびに復興し政治・経済・文化の中心として栄えてきた。明治維新で東京遷都となったが,三都の一つとして行政上も特別に扱われた。1878年(明治11)郡区町村編制法の施行により,三条通を境にした上京・下京両区を設置。89年の市制・町村制施行後も市制特例法が適用されて東京・大阪両市とともに府の直接行政が行われた。98年市制特例法が廃止され普通市制となる。1906年に開始された第2琵琶湖疏水の開削と蹴上(けあげ)上水場の建設,道路拡築と電気軌道(市電)敷設事業は京都市3大事業といわれ,近代都市へと大きく飛躍する。29年(昭和4)左京・中京・東山の3区を,31年に右京・伏見2区を設置した。55年には上京区から北区,下京区から南区を,76年には東山区から山科区,右京区から西京区を分区して現在11区の編成となっている。50年国際文化観光都市,56年政令指定都市となり,66年には古都保存法が適用された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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