行政官(ぎょうせいかん)
明治初年の行政機関の一つ。1868年(明治元)閏4月に公布された政体書にもとづいて設置された。立法機関である議政官,司法機関である刑法官とともに政府を構成。神祇官・外国官・軍務官・会計官からなり,内治庶政を分担した。行政官は輔相(ほしょう)を兼任する議定(ぎじょう)の三条実美(さねとみ)・岩倉具視(ともみ)らの指導のもと宮中諸事にもたずさわった。69年には版籍奉還にともなう官制改革と官吏公選の実施により,人事異動と大規模な機構改革が断行された。政体書による体制は,アメリカ憲法を基礎に三権分立を建前としたが,実際には藩閥勢力が要職を独占した。同年7月の職員令の公布にともない行政官は廃止となり,太政官に吸収された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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