経師(きょうし)
写経生とも。正倉院文書にみえる,写経所で書写を担当した技術者。写経所のなかでは最も人数が多い。経師になるためには,書いた文字の試験(試字(しじ))に通ることが必要だったが,経師の親族や同族はなりやすかったらしい。なお写経所には,各官司から派遣された舎人(とねり)なども働いており,官司の下級官人に抜てきされる者もいた。月ごとあるいは季節ごとに仕事量を報告する手実(しゅじつ)を提出し,給与である布施(ふせ)を支給されたが,このとき誤字・脱字分は減給された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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