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狂言(きょうげん)

南北朝期にうまれ,室町・江戸時代に大成する中世を代表する喜劇。能や歌舞伎・文楽などとともに日本の代表的な古典舞台芸能の一つ。能とのかかわりが深く,能狂言と並称,対照される。能が古典を題材に幽玄美を究極におく歌舞芸能であるのに対し,狂言は日常卑俗の庶民的な世界を対象にするせりふ劇である。おおらかな笑いや世相や社会を風刺したものも多く,当時の笑いの世界を象徴する。近世に武家の式楽となって保護され,大蔵流・鷺(さぎ)流・和泉流の3派にわかれた。室町時代の芸態は「天正狂言本」にわずかにうかがえ,近世初期には「大蔵虎明(とらあきら)本」などの台本も書かれた。現行は二百数十番ある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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