1. 用語
  2. 日本史 -き-
  3. 教科書検定制度(きょうかしょけんていせいど)

教科書検定制度(きょうかしょけんていせいど)

民間で著作した教科書を監督庁が審査し,合格したものだけを教科書として認める制度。日本では1872年(明治5)の学制以降,自由発行・自由採択制だったが,しだいに国家統制が強まり,開申制(届出制,81年),認可制(83年)をへて86年から検定制となった。検定権者は文部大臣で,小学校では1903年に国定制になるまで,中学校でも43年(昭和18)まで続いた。第2次大戦後は47年の学校教育法で小・中・高校での検定制が復活。当初は検定権を地方教育委員会に移す予定だったが,53年の教育委員会法改正により検定権者は文部大臣となった。以後検定が強化されるなかで,与党による「うれうべき教科書の問題」配布,不合格処分や修正要求を憲法違反と訴えた家永三郎による訴訟,東アジア諸国からの批判などがおこった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう