崎門学派(きもんがくは)
闇斎(あんさい)学派・敬義学派とも。江戸前期の儒学者山崎闇斎を学祖とする朱子学の一流派。闇斎は,朱子学一尊主義の立場から,朱子の学説を遵奉して異説を排撃するとともに,朱子の思想・倫理規範を日常生活のなかで厳格に実践することを課題とし,厳格な道徳主義を徹底した。これが「道学先生」といわれる理由である。後年,闇斎は吉川惟足(これたり)から神道の伝授をうけ垂加神道(すいかしんとう)を提唱し,学派は純儒学と神儒兼学の2派にわかれたが,前者が主流で,佐藤直方(なおかた)・浅見絅斎(けいさい)・三宅尚斎(しょうさい)の崎門三傑を輩出した。師説が厳格に継承されていった結果,江戸時代を通じて独自の学問を形成し,のちの政治・道徳思想に大きな影響を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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