紀貫之(きのつらゆき)
生没 ?~945 平安前・中期の歌人・日記文学作者。三十六歌仙の1人。望行(もちゆき)の子。宮廷文芸としての和歌の復興の気運のなかで歌壇に登場。905年(延喜5)紀友則・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)とともに「古今集」の撰者をつとめ,優れた歌論でもある仮名序を記した。「古今集」に最多の102首をのせるほか,勅撰集入集は450首以上。歌合(うたあわせ)・屏風歌といった公的な詠進歌が多く,歌壇の第一人者として認められていた。930年(延長8)土佐守として赴任。その帰途をつづったのが「土佐日記」で,日記文学のみならず仮名文学全般の発展に多大の影響を与えた。家集「貫之集」。その他の作品に「大井川行幸和歌」の仮名序,「新撰和歌」の撰定と真名(まな)序など。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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