紀伊国屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)
生没 1669?~1734.4.24 江戸前・中期の江戸の豪商で大尽として有名。紀伊国生れ。伝記は不明なことが多く文学的逸話に富む。紀州みかんを江戸に回漕して利を得たのをはじめとし,貞享年間江戸に進出して材木商として活躍した。火災や寺院建立による建築ラッシュにのり繁栄をきわめ,勘定頭荻原重秀らと結び,上野寛永寺の用材を提供して巨利を得た。この間,俳人の其角(きかく)や画家の英(はなぶさ)一蝶らをつれ,吉原で豪遊した話は有名。経営は投機的で,しかも幕閣と結託していたため,柳沢吉保らの引退と材木の焼失により正徳年間には廃業,隠棲生活に入った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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