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喫茶養生記(きっさようじょうき)

諸病発生の要因と茶の薬効を説いた書。2巻。栄西著。1211年(建暦元)祖稿,14年(建保2)修訂再編,源実朝に献上された。第1「五臓和合門」,第2「遣除鬼魅門」がそれぞれ上巻,下巻をなす。「五臓和合門」では,五臓を五行に配当し,心臓は苦味を好むので,茶の苦味によって心臓の病を治し,五臓が調和すると説く。ついで養生のため,茶の名称・樹形・効能・採茶時期・製法を説明。「遣除鬼魅門」では,「大元帥大将儀軌(ぎき)秘抄」を引き,その心呪(しんじゅ)・念誦(ねんじゅ)が末世の病を退散させると説く。飲水・中風・不食・瘡病・脚気(かっけ)からなる病の5種相の原因とその治療法,とくに病のもととなる冷気に効く桑粥について詳述。「群書類従」「仏教全書」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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