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北村透谷(きたむらとうこく)

生没 1868.11.16~94.5.16 明治前期の詩人・評論家。本名門太郎。神奈川県出身。東京専門学校中退。自由民権運動に加わり大阪事件への参加を求められたが,煩悶の末,頭を剃って運動から離脱。その後キリスト教に入信,文学へ移って詩や評論などで活躍した。1893年(明治26)島崎藤村らと「文学界」を創刊,初期浪漫主義運動の指導的役割をはたし,一方プロテスタント各派と交流して反戦平和運動を展開した。著作に初期の劇詩と「厭世詩家と女性」「内部生命論」「人生に相渉るとは何の謂ぞ」などの評論があり,その基調は実世界に対して想世界・内部生命・他界などの観念を対置させることで,現実社会の止揚をはかろうとするものであった。山路愛山との人生相渉(そうしょう)論争は有名。「透谷全集」全3巻。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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