北村季吟(きたむらきぎん)
生没 1624.12.11~1705.6.15 江戸前期の歌人・俳人・和学者。名は静厚。通称久助。別号は慮庵(りょあん)・呂庵・七松子・拾穂軒・湖月亭。近江国北村の人。祖父・父につぎ医学を修めた。はじめ貞室に,のち貞徳直門となり,「山之井」刊行で貞門の新鋭といわれた。飛鳥井(あすかい)雅章・清水谷実業(さねなり)に和歌・歌学を学んだことで,「土佐日記抄」「伊勢物語拾穂抄」「源氏物語湖月抄」などの注釈書を著し,1689年(元禄2)には歌学方として幕府に仕えた。俳諧は貞門風をでなかったが,「新続犬筑波集」「続連珠」「季吟十会集」の撰集,式目書「埋木(うもれぎ)」,句集「いなご」は特筆される。元隣・芭蕉・素堂らのすぐれた門人を輩出したことも,俳諧史上大きな意義がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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