貴族院(きぞくいん)
大日本帝国憲法のもとで衆議院とともに帝国議会の1院を構成した立法機関。1890年(明治23)11月,帝国議会の開設により開会。(1)皇族(成年男子),(2)公・侯爵,(3)伯・子・男爵の互選,(4)国家の勲功者・学識者から勅任,(5)各府県の多額納税者の互選者から勅任,の人々が貴族院議員となった。のち帝国学士院会員の互選者を議員に加えた。衆議院の予算先議権のほかは,衆議院とほぼ同等の権限をもち,藩閥官僚派など特権的勢力の拠点として政党勢力と対抗した。大正期には貴族院の最大会派研究会が衆議院の多数党の立憲政友会と接近し,大きな影響力をもったが,1925年(大正14)加藤高明内閣のとき貴族院改革が行われ勢力は減退した。47年(昭和22)5月3日,日本国憲法の施行により廃止。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう