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貴族(きぞく)

古代では三位以上を貴,五位以上を通貴といい,国家の支配階級である彼らがほぼ貴族にあたる。大和朝廷下の豪族の首長は,それぞれが宗教的権威者・政治的権力者として人民を支配する王権であり,その支配組織が氏(うじ)であった。こうした豪族が貴族となるのは,人民支配を放棄し,王権の主権者であることを放棄したときで,大化の改新から大宝律令成立にかけて氏族的要素をある程度残しながらも,制度上は土地・人民から離れた律令官僚貴族として位置づけられた。中世以後は,新たに支配階級となった武家に対する公家の上層部(摂家・清華(せいが)家など)をさしたが,伝統的権威をもつ存在にすぎなかった。明治期以後おかれた旧大名を含む華族は特権階級にとどまり,これも第2次大戦後廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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