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寄生地主(きせいじぬし)

小作料収入だけで生活しうる大地主。千町歩地主はその最上層。地租改正による土地所有権法認を前提に,松方デフレ期に土地金融などを手段に土地集積を進め,地価1万円(耕地15~25町歩)以上の大地主が全国的・普遍的に成立した。醸造業や金貸業などを営み,地方名望家として地方政治にかかわるものが多く,多額納税者の互選で貴族院議員になるものもあった。20世紀に入る頃から,有価証券投資を拡大して資本主義との結びつきを強めたが,第1次大戦後には,小作争議の激化や米価の低迷などで土地利回りは停滞するようになった。第2次大戦後の農地改革によって寄生地主は基本的に消滅した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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