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魏志倭人伝(ぎしわじんでん)

陳寿(ちんじゅ)撰の「三国志」の一書「魏書」の東夷伝の倭人(わじん)条のこと。「魏志倭人伝」は通称。成立は3世紀後半で,宋の范曄(はんよう)撰「後漢書」より1世紀以上早く,史料価値は高い。内容は,邪馬台国(やまたいこく)を中心とする3世紀の倭人社会に関するもので,まず,帯方郡から邪馬台国までの道程と途中の国名を記す。その記述に距離と方角の点で矛盾があるため,江戸時代から邪馬台国の比定地をめぐって,畿内説と北九州説が対立している。続いて,倭人の風俗,女王卑弥呼(ひみこ)の鬼道や男弟の存在など邪馬台国のようす,さらに魏と邪馬台国の交流を記している。とくに卑弥呼を親魏倭王としたとあるのは,周辺民族としてはきわめて異例なものとして注目されている。「岩波文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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