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菊池氏(きくちし)

中世肥後国の豪族。1019年(寛仁3)の刀伊(とい)の入寇の際,大宰権帥(ごんのそち)藤原隆家に従って奮戦した,大宰府の下級官人藤原蔵規(まさのり)(政則)の子孫。その子則隆は隆家の郎等でもあり,肥後国菊池郡(現,熊本県菊池市)を本拠に武士化した。源平争乱期,隆直は平家に反抗したが,のち平家の有力武将となり,一族の多くは平家とともに滅びた。鎌倉幕府下では,承久の乱で京方となったこともあったが,御家人となり,蒙古襲来の際には武房らが奮戦。元弘の乱では,武時は鎮西探題を博多に攻めて討死。その子武重・武敏・武光らは,九州南朝方の中心勢力として活躍。南北朝合一後は肥後国守護職を保持したが,戦国期に大友氏に制圧された。子孫は日向国米良(めら)にのがれ,維新後,男爵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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