企業勃興(きぎょうぼっこう)
近代史上は明治中期の2度の会社企業の勃興をいう。銀兌換制が確立して貨幣価格が安定し金利が低下すると,株式取引が活発になり,1886~89年(明治19~22)に鉄道・紡績などで会社設立熱が生じたが,89年夏以降の恐慌(明治23年恐慌)で沈静化した。日清戦後の95年半ばから日本銀行が積極的貸出方針をとったのを契機に,銀行・鉄道・紡績などで第2次企業勃興が生じたが,日清戦後第1次恐慌(1897~98)で沈静化した。2度の企業勃興を通じて多くの株式会社がうまれ,会社払込資本金は通貨流通高を上回るに至った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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