コンツェルン
独占資本の一形態。カルテル・トラストが同一部門・同一製品市場の独占であるのに対して,通常は異なった産業部門にわたる,資本そのものの独占と理解される。組織的には持株会社を頂点としたピラミッド的構成をとり,傘下企業は独立した法人格をもちながら持株会社の下で一定の経済的統一性をもつ。結合は本社の株式保有とそれにもとづく人事権の保有を基礎とし,融資・人的結合によって補完される。構成企業が産業連関を基に編成される場合を産業型コンツェルン,高収益分野への余剰資金の投資の結果,非関連部門にわたって編成された場合を金融型コンツェルンと区別することが多く,第2次大戦前の日本窒素・昭和電工などが前者の典型例で,三井・住友・三菱財閥が後者の例となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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