御霊会(ごりょうえ)
御霊信仰にもとづき,疫病流行などの際に政治的に非業の死をとげた者などの霊を祭る祭礼。863年(貞観5)5月に国家の手により神泉苑で早良(さわら)親王ら6人を祭り,金光明(こんこうみょう)経・般若心経を講じ,楽を奏し,弓を射,これを民衆にも開放したのを文献上の初見とする。しかしそれ以前から民衆が主体となって疫神を御霊のたたりとして祭り,礼仏・相撲(すまい)などでその霊を慰め,疫病の蔓延を防ごうとしていたことが知られる。同年の御霊会は,社会不安を押さえるためにこれをとりこもうとした意味をもつ。その後も疫病流行とともに各地で行われたが,なかでも祇園(ぎおん)社・北野社のものが盛大であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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