米市(こめいち)
米の集散が行われる市場。古くは室町時代に起源がみられるが,米遣い経済といわれる江戸時代以降に著しく発展した。とくに江戸・大坂をはじめ,京都・大津・名古屋・金沢・酒田・広島・松坂・兵庫など米の集散地に多い。はじめは現物の米が扱われたが,やがて米相場所が開設され投機取引市場化し,とくに大坂では淀屋の米市といわれる市場が現れ,米切手が流通した。大坂は「天下の台所」といわれるように,大量の米が入津したため,元禄頃から市場には多くの米商人が集まって米取引を行っていた。江戸でも米市がみられたが,大坂のようには市場が統制されなかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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