駒競行幸絵巻(こまくらべぎょうこうえまき)
鎌倉後期の絵巻物。「栄花物語」には,関白藤原頼通が後一条天皇らを迎えて,1024年(万寿元)に高陽院(かやのいん)で競馬の盛儀を開いたことがのるが,そのありさまを描いた作品。現在2種類の断簡が数点残る。そのうち静嘉堂文庫蔵(縦31.5cm,横155.2cm)と久保惣記念美術館蔵(縦34.2cm,横383cm)の断簡は,高階(たかしな)隆兼の画風につながる華麗な色彩が特徴で,当時の活発な古典復興の産物と考えられる。紙本着色。両者とも重文。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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