1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 近衛家(このえけ)

近衛家(このえけ)

藤原北家の嫡流。五摂家の一つ。平安末期藤原忠通の嫡男基実(もとざね)を祖とする。基実と嫡男基通はともに平清盛の女婿で,その後援により摂関・氏長者となるが,源平内乱期に基実の弟の基房・兼実らとしばしば交替し,藤原嫡流は基通・兼実(九条家)の2流にわかれた。近衛家の呼称は基通の住居近衛殿にちなむ。基通の孫兼経の代に弟兼平(鷹司(たかつかさ)家)が分立,九条家から分立した二条・一条両家とともに五摂家となる。江戸初期に後陽成天皇の皇子信尋(のぶひろ)(母は信尹(のぶただ)の妹前子)が17代信尹の養子となり,以後天皇家とたびたび姻戚関係を結んだ。維新後,篤麿(あつまろ)のとき公爵。嫡男文麿(ふみまろ)は昭和期に3次にわたり内閣を組織した。伝家の資料は財団法人陽明文庫蔵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう