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後藤祐乗(ごとうゆうじょう)

生没 1440~1512 装剣金工の後藤家の始祖。美濃国生れ。足利義政の側近として仕えたが,のちに辞して装剣金工に転じたと伝えられる。義政の御用を勤め,近江国坂本に領地300町を与えられた。作品は小柄(こづか)・笄(こうがい)・目貫(めぬき)の三所物(みところもの)がおもで,金や良質の赤銅の地金に竜・獅子などの文様を高彫で表したものが多い。祐乗の彫刻は刀装具という一定の規格のなかで,細緻な文様をほどこし装飾効果をあげるもので,以後17代にわたる後藤家のみならず,江戸時代の金工にも大きな影響を及ぼした。代表作に前田家伝来の黒漆小さ刀(ちいさがたな)の金獅子牡丹文金具がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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