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戸籍(こせき)

古くは「へのふみた」とも。律令制下,人民の登録のために作成された最も基本的な台帳。「籍」だけで戸籍を示すことも多い。戸籍は6年ごとに作成され,庚午年籍(こうごねんじゃく)は永久保存,その他は5比(30年)の間保存された。戸ごとに戸口の姓名・続柄・年齢などを記し,この記載は身分関係の基本となった。戸籍の主管部局は財政担当の民部省で,全国から戸籍各1通が送られたが,別に一揃いが民衆支配の象徴として,中務省を通じて天皇の御覧に供された。戸籍に関する諸規定は,おおむね戸令に定められている。正倉院文書に部分的に伝わる,702年(大宝2)の御野(美濃)・筑前・豊前各国戸籍,721年(養老5)下総国戸籍をはじめとする8世紀の戸籍が有名である。ほかに紙背文書のかたちで残された平安時代のものもある。明治期には,戸籍法にもとづいて近代的戸籍が作成されるようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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