五色塚古墳(ごしきづかこふん)
神戸市垂水区五色山にある古墳中期初頭の大型前方後円墳。県下最大の規模をもつ。墳丘外形と埴輪円筒列,葺石(ふきいし)が築造当初の状態に復原された美しい古墳として著名。瀬戸内海の明石海峡に臨む台地の突端にあり,墳長194m,後円部径125m,前方部幅81mで,前方部は南西をむき,3段築成をなす。周濠があり,東側くびれ部近くに1辺20mの方壇と,後円部北東に長方形の壇状施設があった。後円部に石棺と石室があったらしいが明らかでない。墳丘表面から石製合子(ごうし)破片・子持勾玉(こもちまがたま)などが採集され,蓋(きぬがさ)形・盾形埴輪と土師器(はじき)が出土。墳丘の復原によって,約2200本の円筒埴輪と223万個の葺石を用いていたことが判明した。古墳の西に接して直径60mの小壺古墳がある。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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