5・4運動(ご・しうんどう)
1919年(大正8)5月4日,北京の学生デモを契機とする反日・反帝の民衆運動。19年のパリ講和会議において中国は対華二十一カ条の要求の撤回,山東権益の返還を要求したが,いずれも否認され,中国民衆の憤激を招いた。学生デモは「二十一カ条破棄」「講和条約調印拒否」などのスローガンを掲げて軍警と衝突し,北京のデモに呼応して各地の労働者・商業者が罷業を始め,上海では6万人をこえる労働者が罷業に参加した。この大衆運動は,中国政府に親日官僚の曹汝霖(そうじょりん)らの罷免,講和条約の調印拒絶という態度をとらせるに至った。5・4運動は中国革命の指導理念にマルクス主義を持ち込み,中国共産党結成の基礎をおくことになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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