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五山文学(ござんぶんがく)

南北朝期~室町中期を最盛期とする京都五山の禅僧による漢文学。中世文化形成に重要な役割をはたした。鎌倉末期頃来朝した南宋の一山一寧(いっさんいちねい)が中国禅林の文学を好む気風を日本に伝え,禅宗の学芸興隆に大きな影響を与えた。その後禅林文学の純化をめざした元の古林清茂(くりんせいも)の弟子竺仙梵遷(じくせんぼんせん)の来朝,入元し古林に師事した竜山徳見・中巌円月(ちゅうがんえんげつ)らの帰朝により,日本でも新たな作風の漢詩文が誕生した。虎関師錬(こかんしれん)・雪村友梅(せっそんゆうばい)・義堂周信(ぎどうしゅうしん)・絶海中津(ぜっかいちゅうしん)などすぐれた作者が輩出し,創作のみならず,中国古典や宋・元文学の講究でも注目すべき足跡を残した。藤原惺窩(せいか)・林羅山ら五山出身の近世儒学者は,この伝統を引き継いだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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