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五山版(ござんばん)

鎌倉・室町時代,京都・鎌倉五山などの禅宗寺院や禅僧によって刊行された書籍。宋刊本・元刊本・明刊本の復刻本や,宋元本の版式をもつ版本で,禅籍や漢籍(外典)などがある。最古の五山版は,1287年(弘安10)建長寺の正続庵で出版した「禅門宝訓」2巻で,鎌倉時代は20余刊行された。南北朝期に最盛期を迎え,数百種を出版。京都では春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が,天竜寺に住した際に多数の書籍を刊行している。大陸から多数の刻工も移住し,その技術を伝えた。出版を行った寺院は,臨川(りんせん)寺・東福寺・建仁寺・南禅寺など。室町時代になるとしだいに地方での出版が多くなり,中期以後,京都五山の出版は衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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