後三年の役(ごさんねんのえき)
平安後期の1083~87年(永保3~寛治元)奥羽で起きた戦乱。前九年の役後,安倍氏の旧領をも領有して奥羽最大の豪族となった出羽国仙北(せんぼく)の俘囚長清原氏の内紛に,陸奥守源義家が介入し,戦闘は5年に及んだ。義家は激戦の末,清原氏を滅ぼしたが,朝廷は義家の私戦として恩賞を与えず,義家はむなしく奥羽を去った。以後約100年間,奥羽は安倍・清原両氏に縁のあった藤原清衡(きよひら)を祖とする奥州藤原氏によって支配された。義家は直接的にはえるところがなかったが,東国武士団に対する清和源氏の棟梁権の安定化に成功した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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